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育成委員エッセイ  カンパネルラ

私の住む地方には「松明かし(まつあかし)」という伝統的な風習があります。お盆の月の1日、7日、13日~16日、20日、31日の8日間、自宅の軒先で松を明かします。ご先祖様(みたまさま)に帰る家をお知らせする迎え火の意味合いがあります。

 

「松明かし」の日は花火をする日でもあり、家の前の道路でも花火をすることが公然と許されていて、爆竹やロケット花火の音が夜遅くまで聞こえたものです。

 

我が家でも家族揃って花火を楽しんで、そのあと盆踊りに参加してアイスと帳面をもらってくるのが、昔からの年中行事でした。

 

多感な時期を迎えている中3の息子。最近部屋にこもりがちな日が多くなって心配していましたが、二年ぶりに「松明かし」に顔を出してくれました。三世代そろっての線香花火はありがたく嬉しいひとときでした。

 

お盆の忙しさから解放された日、少し軟化?した息子と久しぶりに親子でご飯を食べに出かけました。汗だくでいただいたラーメンはささやかな団欒の味がしました。

 

毎年「松明かし」が終わる頃には、秋の気配が感じられるのですが、今年は少々違うようです。

 

「家族団欒」を運んできてくれるお盆の風物詩。来年の夏が今から待ち遠しい。

 

みなさんの住む町にはどんな風習がありますか?

 

  2020.9 カンパネルラ