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2021年 7月月次祭 大教会長挨拶

 本日は、夏らしい結構なお日柄をいただいて、皆さんそれぞれお忙しい中を、また、コロナウイルスの影響の中をも、遠近を問わず七月の月次祭にご参拝をいただきまして、誠に有難うございました。また、日々はお道の御用の上にご丹精を下さり、そして、三ヶ月間留守をさせていただきましたが、その間を皆さんでつとめて下さり、誠に有難うございました。今日から四連休ということもあり、子供さん方をはじめ、久しぶりにたくさんの方に大教会へ来ていただけましたので、本当に有難く嬉しく思っております。

 今月はお陰様で、三ヶ月振りに修養科生をお与えいただくことができました。本当に有難く思います。修養科生さんは、二十代の女性の方で青森県よりお越しをいただきました。皆さんには、修養科生さんに親しくお声を掛けていただき、お世話どりをくれぐれもお願いさせていただきます。

 さて、今修養科生の話をしましたが、私も修養科の一期講師として四月から六月までの三ヵ月間、お陰様で無事につとめさせていただくことができました。私は今回二度目の一期講師となりまして、前回は四年前の五月から七月まで、男子のクラスの副担任を受け持たせていただきました。その時にはクラスの年配の方がお出直しされてしまい、また、修了式前日にはかんろだいが倒されるという、大きな節をお見せいただきました。そして、修了式の二日後には父前会長が出直されて、本当にさまざまな節をお見せいただきましたが、その大変な中でおぢばでお育ていただけた前回の一期講師でありました。ですから、今回の一期講師はなんとか順調にお連れ通りをいただけるようにと、そして、受け持つクラスのみんなが誰一人欠けることなく、笑顔で修了式を迎えることができるようにとの目標を持って、おぢばに入らせていただきました。

 今回の一期講師は、女子のクラスの担任を受け持たせていただくことになりましたので、一期講師をつとめる前にうちの家内から、「おとうさん、何かやらかさないように」と、警告のような激励をいただきました。私の受け持たせていただいたクラスは二十名で、十七名がおさづけの理を拝戴されたようぼくでした。最年少が十九歳、最高齢が八十九歳と、若い人が半分年配の方が半分と、おばあさんと孫で構成されたみたいなそんなクラスでありました。そして、この女子クラスをまとめることができるかというプレッシャーと、コロナウイルスの影響の不安を抱えながらのスタートでした。

 一ヶ月目の始まりは、慣れない環境に合わせることと、授業の準備やクラスのみんなの名前を覚えることに精一杯で、まったく余裕がありませんでした。そして、私だけでなく修養科生さんも、朝づとめが早くなっていく時期でしたので、最初の頃は生活リズムに合わせることが、本当に大変だったと思います。授業のことですが、教祖伝を担当させていただきまして、前回の男子クラスとは違って、居眠りをする人が少なく真剣に授業に取り組む姿勢に、流石女子クラスだと関心をしました。しかし、そのことが反対に私にとってのプレッシャーになってしまい、授業の準備に頑張り過ぎてストレスのせいなのか、一ヵ月目の終わり頃には腰の辺りに帯状疱疹ができてしまったんです。その後、腰の辺りがかゆいのと、針で刺されたようにチクチクと痛みを感じ、気持ちの方も下がってしまいました。そんな時、修養科の専任講師の先生から、授業を進める上での話を聞かせてもらい、その中で「教理を説くなどと思わないで、信仰の喜びや素晴らしさを味わってもらえるように、日々の生活の中で陽気ぐらしを実感できる話をしましょう。」との言葉に心が救われて、その後は授業を楽しむように心掛けるようになって、そのお蔭で帯状疱疹もご守護いただくことができました。

 クラスのことですが、一ヶ月目のはじめ頃から、若い人と年配の方がおばあさんと孫のようのに仲良くされて、クラスがまとまっていることを感じさせていただき、また、授業やひのきしんを楽しく勇んでつとめてくれました。しかし、二ヶ月目に入ると疲れがたまってきたのか、体調を悪くされて休む人が出てきまして、その中に心臓を悪くして三日間入院された方もありました。しかし、そのことから修養科生さんが、身上者の方に積極的におさづけを取り次いでくれるようになり、そして、クラスのみんなでお願いづとめさせていただこうと神殿に何度も足を運び、お願いづとめをさせていただきました。そして、これらのことからクラスが更に一つになり、人のたすかりを願う修養科生さんの心の成長を感じることができました。

 三ヶ月目に入ると、修養科生さんもラストスパートという思いなのか、修養科生さんからの提案で、神殿の回廊ひのきしんや、おてふり練習をさせていただき、学ばせてもらいたい、伏せ込ませてもらいたいという前向きな思いを強く感じました。そして、この三ヶ月の間に、修養科生さんの中でコロナウイルスの感染者がありましたが、感染が拡大することなく大難を小難にお連れ通りをいただき、最終日の修了式も誰一人欠けることなく、笑顔で修了することが出来ました。本当に有難く思いました。

 私は今回の一期講師で、修養科生さんに学ばせていただいたことが二つあります。一つ目は修養科ではひのきしんをはじめ、行事などで修養科生さんにさまざまな役割をお願いさせてもらうのですが、その中でハイわかりましたと一つ返事で受けて下さり、断る人が誰一人おりませんでしたので、その姿勢からなんでも素直にハイと受けさせてもらうことの大切さを、改めて教えていただきました。

 そして、二つ目はクラスのUさんという方の話になりますが、彼女は昨年事情があって二十歳という若さで未婚の母となってしまい、この度、十ヶ月の男の子を連れて修養科に来られました。そして、彼女が修養科を志願した理由というのは、昨年の中頃にお子さんを無事出産をされたのですが、妊娠中に絨毛癌という癌の身上をいただかれたのです。絨毛癌というのは、胎盤を作る絨毛細胞が悪性化をして、増殖や転移をする悪性腫瘍のことを言います。そして、彼女はこの身上をなんとかご守護をいただきたいと、修養科を志願されたとのことでした。

 その後、彼女は修養科を通る中で、子供さんの発熱や、自分の身上の病院での診察で休まれたことはありましたが、それ以外は身上を抱えながらも、一度も休むことなく勇んでつとめてくれました。そして、それに加え修養科の生活は自分のことで精一杯なはずのに、朝の神殿掃除の時などは、真夜中の三時前に起き自分と子供の支度を済ませて、お子さんをおぶって笑顔でひのきしんをつとめる姿には、本当に頭が下がる思いになりました。そして、彼女の身上のことですが、修養科中に少しずつ良くなりまして、修養科修了後は経過観察にしましょうとお医者さんに言われたとのことで、本人も大変喜んでおりました。このようなご守護をいただくことができたのは、彼女が身上をなんとかたすかりたいと修養科志願を心定めをし、未婚の母という先行きの不安と、絨毛癌の身上の心配を抱えながらも、小さいお子さんと共におぢばに伏せ込んだその真実に、神様がお働き下さったのだと思います。そこで、私は彼女からどんな大変な中でも、笑顔で前向きに通ることの大切さを教えていただきました。私は今回一期講師として、副担任の先生と修養科生さんに本当に恵まれて、たくさんのことを学ばせていただきながら貴重な経験をさせてもらい、おぢばで修養科生さんと共にお育ていただくことができました。  

 今回私が四年前の一期講師に続いて、二度目の一期講師をつとめ終えさせていただいたところですが、実は早くも来年の四月から再来年の三月までに、城山から一期講師をつとめてもらいたいと、お声を頂戴しているところであります。城山ではこの四年間で私が二回、五所川原の会長さん、北城真の会長さん、八戸の会長さんと五回つとめさせていただいており、一年弱のペースで一期講師の御用をお与えいただいておりますので、今城山では一期講師のご用を通して、成人させていただける旬をお与えいただいているのだと、有難く思っております。ですから、城山として一期講師のご用を通して、おぢばにしっかりと伏せ込まさせていただきたいと思います。そして、今年修養科は創立されて八十周年の節目に当たるということですので、この大きな節目の旬に修養科生をお与えいただけるよう、皆さんと共につとめ励ませていただきたいと思います。

 最後になりますが、早いもので本年立教百八十四年も後半へと入りました。本年前半は、コロナウイルスの影響から色々と大変な思いをされたと思いますが、それでも結構にお連れ通りを頂けたお互いであると思います。ですから、本年後半も感謝の気持ちを忘れることなく、笑顔で勇んで通らせていただきたいと思います。本日は誠に有難うございました。