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2021年 8月月次祭 大教会長挨拶

 本日は結構なお日柄をいただいて、皆さんにはそれぞれお忙しい中を、また、コロナウイルスの影響の中をも、遠近を問わず八月の月次祭にご参拝をいただきまして、誠に有難うございました。また、日々は皆さんそれぞれの立場の上からお道の御用の上にご丹精を下さり、誠に有難うございます。

 はじめに、今月もお陰様で先月に続いて、修養科生をお与えいただくことができました。本当に有難く思います。修養科生さんは、四十代の男性の方で青森県よりお越しをいただきました。皆さんには、いつもお願いをしていますが、修養科生さんに親しくお声を掛けていただき、お世話どりをくれぐれもお願いさせていただきます。修養科は開設されて、今年が八十周年の節目に当たるということですので、この大きな節目の旬に、城山から一人でも多くの修養科生のご守護をいただけるよう、皆さんと心一つにつとめさせていただきたいと思います。

 さて、今年の夏もまもなく終わりになる訳ですが、今年の夏と言えば、先日まで行われていた東京オリンピックだと思います。今度の東京オリンピックは、コロナウイルスの影響で一年延期をされ、ほとんどの会場で無観客となった異例の大会でした。そして、期間中コロナウイルスの感染拡大がやまず心配されたオリンピックでしたが、十七日間の日程を終え、先日の八日無事閉幕となりました。一年間の大会延期、無観客、コロナの感染拡大と大変なオリンピックでありましたが、その中を日本の選手達が、金メダル二十七個・銀メダル十四個・銅メダル十七個と、計五十八個の史上最多となるメダルを獲得し、大躍進を成し遂げました。そして、このような活躍からお互い様に、テレビに釘付けになり、コロナ禍の中で感動をし勇みの種をいただくことができたと思います。

 今大会日本はたくさんのメダルを獲得しましたが、特に主要競技である柔道が、史上最多となる九個の金メダルを獲得して、「柔道ニッポン」の復活を世界に印象づけることができたと思います。そして、その中に天理教の関係者として、天理大学OBで京都にある大原大教会につながるようぼくの大野将平選手が、リオデジャネイロオリンピックに続く金メダルで、オリンピック連覇を成し遂げました。大野選手は世界選手権を三度制覇をし、リオデジャネイロ・東京オリンピックで金メダル、2014年以来七年間、国際大会で無敗の六十二連勝で、まさに王者にふさわしく、本当に輝かしく素晴らしい成績だと思います。しかし、大野選手はそれだけでなしに、一方で、「一日一膳」毎日ゴミ拾いのひのきしんを続けているとのことで、このこともとても立派だと思います。大野選手は、以前に「目に見える世界だけでなく、目に見えない世界にも心を向けて、徳積みのひのきしんをしてはどうか」との話から、このひのきしんを毎日実行していると聞かせていただきました。

 ここで、オリンピックの話から逸れて、アメリカの大リーグ、エンジェルスで活躍中の大谷翔平選手の話になりますが、皆さんもご存知のように、彼は今投手に打者と投げて打って、二刀流で活躍し誰もが認めるスター選手となりました。しかし、大谷選手もそれだけでなしに大野選手と同様に、彼は高校時代の監督に、「ゴミは人の落とした運だ。ゴミを拾うことは運を拾うことになる。」と教えてもらったことから、毎日ゴミ拾いを心掛けているとのことが最近報道されたと聞かせていただき、まだ若いのに立派な人だと思いました。

 おふでさきに、

 だん/\となに事にてもこのよふは

 神のからだやしやんしてみよ  (三―四〇)

とお聞かせいただきますが、つまり、私達の住むこの世界地球は、親神様の身体であります。ですから、ゴミ拾いをさせてもらうということは、親神様の身体を綺麗にすることでありますので、ゴミ拾いは親神様にお喜びいただける、尊いひのきしんであると思います。

 柔道の世界と野球の世界で頂点に立つ二人の選手が、華やかな舞台の裏側で、地道なゴミ拾いを実行し陰日向なくつとめていることに、私達も学ばせていただきたいものであります。大野選手は、ゴミ拾いを徳積みとしてつとめており、大谷選手は、ゴミ拾いを運を拾うことだとつとめております。徳とは、一般的に広く他に影響を及ぼす望ましい態度とあり、そして、運とは、その人の意思や努力ではどうしようもない巡り合わせを指すと、このようにあります。数えきれない練習を重ねて努力をされた選手や、ずば抜けた才能があり実力のある素晴らしい選手でも、本番大事な時に病気やけがをしてしまえば結果を出すことはできません。よく運も実力のうちと聞かせてもらいますが、この二人の選手の今の素晴らしい功績というのは、毎日の練習の積み重ねの努力だけでなく、ゴミ拾いという徳積みによる運をいただいての結果だと思います。ですから、私達お互いも、現在もコロナ禍で行動に制限が掛かる大変な中ではありますが、その中を前向きな気持ちをもって、今自分にできる日々の徳積みのひのきしんに、精一杯つとめ励まさせていただきたいと思います。

 最後になりますが、先月の月末に大教会創立百三十周年記念祭に向かう記念事業として、詰所食堂の改修工事を、ひのきしんでさせていただきました。ひのきしんをして下さった方、暑い中を勇んでつとめていただき、有難うございました。今回詰所の食堂を椅子席にするということで、床を畳からフローリングに替えさせていただき、また、天井の照明器具をLEDに替えさせてもらいましたので、以前より食堂が明るくなり、床が畳からフローリングになったことで、食堂の雰囲気が大きく変わりました。そして、食堂の中にステージがありましたが、それを取り除き食堂で食べさせていただくスペースが広くなりました。このように、詰所の食堂が城山につながる皆さんの真実のお蔭で、以前より見違えるように綺麗になりましたので、現在もコロナ禍で大変な状況にありますが、その中をおぢばにお帰りをいただける方は、このことを一つの楽しみとして、おぢばにお帰りいただきたいと思います。本日は誠に有難うございました。