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2022年 3月月次祭 大教会長挨拶

 本日は、朝から雨が降り皆さんには足元の悪い所を、また、コロナウイルスによる影響の大変な中をも、遠近を問わず三月の月次祭にご参拝をいただきまして、誠に有難うございました。また、日々はお道のご用の上にご丹精を下さり、誠に有難うございます。

 今月の三日はひな祭りがありました。その日ひな祭りということで、朝からうちの家内がはりきって会長宅の霊室に、おもちゃのお内裏様とお雛様を飾ってくれましたので、そのお蔭でひな祭りの雰囲気を感じることができました。そして、午後になってからうちの家内が、夕食はちらし寿司を作るからと言ってくれましたので、ひな祭りらしくちらし寿司をいただけると、期待が大きく膨らみました。ところが、夕方食堂に行ってみると食卓に上がっていたのは、なんとスパゲティだったんです。ちらし寿司をチラつかせておきながらのことでしたので、ガックリしました。しかし、後日うちの家内が罪滅ぼしなのかわかりませんが、手巻き寿司を作ってくれました。ひな祭りは、女の子の健やかな成長を願う行事。「桃の節句」とも呼ばれています。うちの娘も来月には小学四年生になりますので、今日まで神様と周りの人達にお育ていただいたことに感謝をし、そして、今後の健やかな成長を願いながら、手巻き寿司を美味しくいただくことができました。

 今月の十一日には、死者・行方不明者・震災関連死が約二万二千人を超えた、東日本大震災の発生からまる十一年が経ちました。そして、その間被災地も時間と共に段々と復興されてきています。しかし、私はそんな中時が経つうちに、震災のことを段々と忘れかけてしまい、どこか他人事になっていました。けれども、その日テレビの報道を見させていただき、被災地でたくさんの人達が祈りをささげている姿に、忘れかけていた思いを思い返すことができました。現在の調べでは、全国への避難者数が約三万八千人もおられるとのことです。そして、先日東北地方を中心に地震が起き被害がありましたので、震災から十一年が経った今も、たくさんの人達が大変な思いをされております。ですから、私達は震災十一年の節目を通して、改めて被災者の方達に心を向けさせてもらい、一日も早い復興をお願いさせていただきたいと思います。

 さて、皆さんもご承知の通り、今もロシアがウクライナへの軍事侵攻を続けています。そして、ロシアがウクライナへ軍事侵攻を始めてから、あさってで一ヶ月が経ちますので、ウクライナの国民の皆さんも、肉体的・精神的にも大変な状況にあると思います。先日テレビの報道で、ウクライナの子供達が爆撃の音におびえて泣く姿を見た時、たまらなく胸が痛みました。そして、世界中がコロナでたすけあわないといけない時に、どうしてまたこんなことが起きてしまうのかと、残念でなりませんでした。それでは、この節にこもる親神様の思いはどのようなことなのか?

 明治十年に、西南の役(西南戦争)がありました。この戦争は、現在の熊本県・宮崎県・大分県・鹿児島県におきまして、西郷隆盛を盟主にして起こった士族による武力の反乱でした。そして、明治初期に起こった一連の士族の反乱の中でも最大規模のもので、日本国内で最後の内戦となったのです。

 この時の西南戦争について、稿本天理教教祖伝には次のように書かれております。

「明治十年二月には、西南の役が起こった。第十三号に、

 せかいぢういちれつわみなきよたいや 

 たにんとゆうわさらにないぞや   一三 43

 高山にくらしているもたにそこに 

 くらしているもをなしたまひい   一三 45

 それよりもたん/\つかうどふぐわな

 みな月日よりかしものなるぞ    一三 46

世界中の人間は、皆親神の子供、互に真実の兄弟であり、他人というものは一人もない。高山谷底の差別ない魂を授けられている。人間の身体は親神からのかしものである、と諭され、つづいて、

 それしらすみなにんけんの心でわ 

 なんどたかびくあるとをもふて   一三 47

 月日にハこのしんぢつをせかいぢうへ

 どふぞしいかりしよちさしたい   一三 48

 これさいかたしかにしよちしたならば

 むほんのねへわきれてしまうに   一三 49

一列平等の真実を知らず、身上かりものの理を悟らず、骨肉互に鎬を削るのを嘆かれ、親神の望みは、兄弟和楽の平和にあり、かんろだいのつとめは世界の平和を願うつとめである。」と、教祖伝にはこのようにありました。

 これは、西南戦争についての親神様の思召ですが、しかし、現在のロシアとウクライナの争いのことにも、つながることだと思います。親神様のお望みは、どこまでも世界中の人間が仲良くたすけあい、争いのない平和な世界であります。しかし、私達人間は我が身可愛いことから我が身勝手をして、周りの人と争い傷つけあい、人間関係を悪くしてしまうことが誰でもある訳であります。けれども、それでは親神様のお望みにかなうことができません。ですから、私達お互いは、現在もコロナウイルスの影響の中で色々と大変なこともありますが、その中をもまずは相手を思いやり、互いに立て合ってたすけあいながら通らせていただきたいと思います。そして、ロシアとウクライナの抗争とコロナウイルスの節が、よろづたすけのおつとめで治まりのご守護をいただけるよう、しっかりとつとめさせていただきたいと思います。そして、来年には教祖百四十年祭へ向けて三年千日のお打ち出しがあります。そこで、本年はその下地作り、心作りをさせていただきながら、記念祭に向かって、一手一つにつとめさせていただきたいと思います。

 最後になりますが、明日には春の霊祭をつとめさせていただきます。今日の月次祭に続いてとなりますが、ご参拝下さいますようお願い致します。私達が今日結構に通らせていただけているのは、先代の霊様・親々の伏せ込みと、お徳のお蔭の上にあると思います。そして、そのご恩にお応えさせていただけるように、明るく陽気な教会や、明るく陽気な家庭にならせていただくことを、霊様を前にしてお誓いさせていただくのが霊祭であると思います。どうか、明日の春の霊祭を、霊様のご生前中のご功績に深くお礼申し上げ、感謝の心で厳かに心一つにつとめさせていただきたいと思います。本日は有難うございました。